コーヒーの焙煎

コーヒーの焙煎

 

焙煎(ロースト)とは

 

コーヒー豆を炒(い)ることをロースト(焙煎)と言います。

 

コーヒー豆は、生豆の状態では、味も香りもありません。

 

ローストをすることで、はじめて豆からコーヒーの味と香りが引き出されます。

 

ローストの歴史

 

初期のローストは、「ほうろく」という素焼きの土器や鉄板の上で、炭や薪で炒られていました。

 

その後、 鉄製の円筒形の手回し器が考案されていきます。

 

19世紀の欧米の家庭では、自宅でローストをしていました。

 

ローストした豆は、1865年、アメリカ、ピッツバーグ市のアーバッケルが売り出したのが最初といわれ、画期的なことだったようです。

 

この後、ロースター(焙煎機)や大型のグラインダー(ミル:挽き機)が考案され、粉の状態でのコーヒー販売に繋がっていきます。

 

ローストのしくみ

 

ローストとは、生豆をローストにより飲料に適したロースト豆に加工することです。

 

生豆には10〜12%の水分が含まれていますので、その生豆を過熱することにより、

 

水分を4〜 5%程度まで抜き、ロースト豆にします。その過程で、諸成分が化学的に変化し、コーヒーの風味が生まれます。

 

その結果、生豆の重量は、20%程度減少します。

 

ローストの進行に伴い、褐色色素が増加し、香味も変化します。

 

大まかには、ローストが深くなる(褐色色素が増加する)につれ酸味が減少し、苦みが増します。

 

ローストの段階

 

ローストの進行状態は、一般的には色やハゼの状態により、区分されます。

 

日本では、表のとおり、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンの8段階で表現されます。

 

この場合、明確な規準はなく、会社や店により違いがあります。

 

ある店のシティが別の店のフレンチと同じくらいということもありえ、主観的な区分といえます。

 

大手ロースター(焙煎業者)は、より厳密な規準を設ける方法として、「色差計」を使用します。

 

しかし、各社とも8段階に対応するL値の規準は一定ではなく、ローストの段階は、まちまちなのが現状です。

 

ハゼとは

 

ローストにより発生した炭酸ガスが豆の殻を破って出るときに発生する音です。

 

L値

 

Lはlightの意味で、明るさの度合いを示します。

 

 

このようにロースト(の段階)によってコーヒーの味は変化していきます。

 

例えば、モカは酸味のあるコーヒー豆だと一般的に認知されていますが、モカもローストを深くすれば、当然苦味のあるものに変わっていくわけです。

 

大切なのは、どの豆に対して、どのローストが豆の香味を十分に引き出すことができるかを見つけることです。

 

ただ、この産地だからこのローストとは一概には決められません。

 

同じ産地であっても品種により異なったり、その地域の気象条件や標高によっても異なります。

 

どのローストが良いのかは、まず豆の特質をきちんと把握することが重要となります。

 

一般的には、標高の高い地域は、寒暖の差があり、 豆の実がしまり、しっかりした酸ができ、豆も硬くなる傾向が強く、深くローストしても香味が残ります。

 

例えば、コロンビア、タンザニア、ケニアなどの 1500m以上の地域で栽培された豆の多くは、

 

ミディアムからフレンチローストまで幅広いローストで、それぞれ良い香味が出る可能性があります。

 

しかし、高地産であっても、中米の多くの産地は、ミディアムからシティロースト程度が適正ローストとなります。

 

標高の低い地域や、カリブ海の島々などは、豆が柔らかく、深くローストすると、焦げたり、香味が抜けたりします。

 

例えば、ジャマイカのブルーマウンテンやキューバのコーヒーがミディアムローストで販売されているのは、それが最も適したローストだからということになります。

 

このようにロースト適性は、品種、生産地域によりかなり異なりますので、単純に産地でくくることは不可能です。